朝礼講話

病院長 髙尾尊身

8月朝礼講話

—種子島でも出来るPCR検査とは−

今や大多数の国民が知っているPCR検査ですが、どのような検査?と聞かれるとコロナの検査と答えるでしょう。

間違いではないのですが、専門的に説明するとPolymerase Chain Reaction(PCR)とは、核酸(DNAもしくはRNA)合成酵素連鎖反応を意味します。つまり、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に特定の遺伝子を増幅することでウイルスの存在を明らかにする遺伝子増幅検査です。

日本ではPCR検査件数が増えないことが連日報道されてきましたが、ここにきて増加傾向に転じています。そのためか、無症状陽性者の増加が社会不安の一因ともなっているのが実情です。

そもそもPCRは、生命科学に必要不可欠な研究方法のひとつであり、本法の開発によって分子生物学が急速に進歩し、PCR検査機器は世界中の研究室に配備されています。

開発者のキャリー・バンクス・マリス(米国)はノーベル賞を受賞しましたが、興味深いことにサーフィンが好きで、ノーベル賞受賞が決まった際にも海辺でサーフィンに興じていたことから「サーファーにノーベル賞」と大きく報じられたそうです。
「なるほど!だから種子島か」と思った職員はPCRを絶対に忘れないと思います。

種子島にPCRを導入することになったきっかけは、加治屋先生(循環器科)の紹介から始まりました。先生が今回の短時間かつ唾液でも検査可能という小型PCR検査機器開発者の隅田教授(鹿児島大学)と共同研究していることで、本機器を紹介されました。

実は隅田教授は、私が大学在籍中から免疫学の新規研究方法の開発を試みておられ、意見交換をしたことがあります。そうした経緯もあり、今回のコロナ騒動が隅田教授の機器開発を後押しする形となったようです。

おかげでとんとん拍子で話が進み、7月初旬から種子島でもPCR検査が可能となった次第です。