朝礼講話

病院長 髙尾尊身

9月朝礼講話

―名月清風を拂う―

 8月は猛暑が続きました。暑い中鉄砲祭りに参加してくださった皆さん、お疲れ様でした。夏休みを存分に楽しめたでしょうか。リオのオリンピックも終わってしまえばあっという間だったように思います。気がつけば9月、残暑の中にも秋の気配を感じます。なんとなく「祭りの後」のような感傷的な気分になりませんか。

 

「清風名月を拂い、名月清風を拂う」禅語の一節があります。少林山達磨寺のホームページによりますと、「美しく輝く月」はそれだけでただ美しい。「さわやかで清らかな風」はそれだけでひたすら爽快だ。その二つがお互いに主人となったり客になったりしながらその美を極めている様を表しているそうです。また、人間関係に読み解かれる時、「人は付き合っている人に生かされ、また、その人を生かしてもいる」とも解されています。

  先日電子カルテシステムに不具合が生じた際、診療が出来ない事態に陥りました。幸いにも2時間で復旧し事なきを得ましたが、本システムのメリット・デメリットについて考え直す機会となりました。赴任時からシステムの梯弱性に不安を感じ、システムの不具合が病院のアキレス腱になることは十分理解していました。やっと今月から電子カルテシステムの専門家が入職することが決まった矢先のシステムトラブルでした。これからはシステムのさらなる安心・信頼を構築していきたいと考えています。

 このようなトラブルがあった後に思ったことですが、「清風明月を払い、明月清風を払う」とは、我々医療の職場にも当てはまるのではないでしょうか。例えば電子カルテシステムと医療クラークの関係、医療者と患者との関係、言わば清風と名月の関係です。「電子カルテ」は操作する「クラーク」に生かされ、また、その「クラーク」を生かしてもいる。患者は医師・看護師に生かされ、また、その医師・看護師を生かしてもいる。このお互いの良好な関係が病院にとって極めて大切であることは明らかです。我々医療者は、患者に手を差し伸べる時に、我々の存在価値が生かされるのです。

今月も皆んなで力を合わせて頑張りましょう。